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世界につながる女性会連盟 海外交流参加報告

アジア教会婦人会議50周年記念大会
2008年5月29日-31日 台湾・高雄市

中山康子

ACWC協力委員
日本福音ルーテルむさしの教会
2008年7月28日

 アジア教会婦人委員会が聖書の学びと祈りによる草の根の女性の交わりを始めて2008年でちょうど50年になります。
 私は、ルーテル教会を代表する協力委員のひとりとしてアジア教会婦人会議(ACWC)日本委員会のメンバーとしての働きをさせていただくようになって18年になります。その間に本部役員として1998年から2006年の8年間会計を担当させていただきました。その関係で、今回の50周年記念大会に招かれました。同じ国でも年齢の高い参加者と現場を持っている参加者との間で認識が違っている場合、先輩を敬う習慣があるために公の場面では、反対意見を言えない参加者もありました。一方で、自分の命を張って日々習慣と戦いながら活動している報告もありました。支援する側される側の複数の国の間で知れ渡っている事実で、私は知らなかった事実もあり、こうした大会に参加する意味を今更ながら感じました。いずれこの大会の報告書は英語で発行されますが、皆さんにいくらかでも私なりの報告を分かちたいと思って、雑駁なまとめですが、印象的なことを中心にして記します。

 参加者は24の国と地域から集まった120名余で、その中には子供連れの方を含めて、台湾の原住民の方々も多数参加されました。アジア教会婦人会議の50周年のお祝いは前倒しで2年前に「リーストコインの交わり国際委員会」とともにマレーシアで行われましたが、今年が丸50年目にあたります。それで、今大会は、国際ブリッジビルダーという長老派教会女性の団体と合同の開催でした。
 プログラムは、29日の各国代表者を中心にしたオリエンテーションから始まり、30日、31日は朝7時半にホテルに届けられるマクドナルドのハンバーガーと飲み物の朝食でスタート。8時半から徒歩2分ほどの台湾長老派教会の会場で記念大会が夜まで行われました。
 昼食と夕食は、会場にケータリングされた立食スタイルでしたが、盛りだくさんの台湾料理をご馳走になりました。会場を提供してくださった教会は、施設を地域に広く開放していて、私たちの大会と同時並行して英語教室や、音楽グループの活動が行われていて若い人たちの交流がにぎやかに行われていました。


★開会礼拝

 2008年のACWC礼拝式文の主題は、「すべての神の創造物への保全と尊厳への女性の役割」として作成され、当番国スリランカが作成した式文を基にした礼拝が行われました。台湾の民族楽器を多く用いており、多くの若い女性のリーダーが目に留まりました。

★2回の聖書研究

 台湾の台南神学校で初の女性学長のウ・フ・ヤ教授によって行われました。彼女は、私とは旧知の友人で、牧師であり、長年ACWCの活動にも興味をよせて協力してくださっています。一日目の聖書箇所は、出エジプト1章と2章1節―10節を中心に行われた。エジプトの解放は、ファラオの命令に従わず、男子を殺さなかった、神を怖れる人々の知恵によった。前面に立つリーダーを女性が努めることを妨げられても、女性間で力を合わせ、知恵を合わせていったことを、イエスの母マリア、カナンの女、長血を患う女を参考に学んだ。いずれも自分のアイデンティティをもち、神に愛されている価値あるものとして自分を大切にし、周囲の人々を愛したこと。神様からそれらの力と知恵と勇気を示されたことを学び、私たちもそれぞれの状況の中で聖霊によって神様からの賜物をいただきましょう、という内容でした。基準とした聖書は、”Today’s EnglishVersion”でした。二日目の聖書研究は、3人パネラーのロールプレーによる聖書の講読を通して、パネラーが気付いたことを発表し、会場では、席の近くの3-4人で感想を交換し、それを発表し、折に触れて講師が感想を付け加えるという方法でした。聖書箇所は、師士記19章―21章。初日と同じウ教授が21章から先に読む方法をとったシナリオを作りそれに従って講読、パネラー始め一同が新しい気付きを与えられました。

★会場からの報告

 2つを挙げます。一つ目は、ネパールの女性からのものです。夫にインドに売られた女性がネパールに帰ってきた。薬を飲まされて目覚めたらインドのボンベイに連れて行かれていたとのこと。そういう女性たちのためのカウンセリングやセミナーが開かれている。二つ目は、インドの若い女性からでした。今でも女性は生理があるため、汚れているものとみなされて、礼拝の聖壇に上がることが許されない、教会の役員にもなれない。教派によっては、一家の家長である男性が会員になって一家全員をコントロールし、個人としての女性会員は認めない。聖書によれば、女性の身体を含めてすべてに力を持って治めてくださるのは神様であることが述べられました。

★分団討議-アジアの女性の状況

 私は、2回のグループ討議の中で一グループの司会を務めることが求められました。
 メンバー16人のグループでした。このグループの参加者は、マレーシア、南アフリカ、バングラデシュ、パキスタン、フィリピン、台湾、インドネシア、インド、英国、ニュージーランド、スリランカ、Vanuatu, 韓国、日本でした。グループ討議などで聞いた実話を少し記します。以下は、言葉にするのもためらうほどのことが未だに女性に対して行われている大変衝撃的な事実です。

[英国]ヨーロッパでも女性への暴力に対応して教会の働きが組織されている。そのひとつとして、チラシ、栞、会報を発行して教会に働きかけている。たとえば、“Not for sale Sunday(女性のからだは売り物ではありません)"というテーマを掲げた日曜を設定して、全教会にニュースを配布物で知らせて、設定された日曜の献金を集めて活動資金に充てている。大切なことは以下の2点が考えられる。全教会に知らせて、教会全体としての働きとするように工夫する。実際のやり方などは、各教会に任されてよい。女性教職を一緒に巻き込んだ活動にすること。信徒だけの活動には説得力が全体に及びにくい。

[マレーシア]子持ちの母親のためのケアプログラムを持っている。年の差のある夫が、女性の外出によって家に取り残されないで済み、しかもその夫のケアを教会女性が組織的にサポートして、若い女性が教会の集まりに出易いように配慮している。

[南アフリカ]自分の母親が働いていたため、若年の娘を祖母に預けていたため、祖母とともに教会の女性の活動に幼少時から出席していたことが好影響を及ぼした。教会で、離婚やアルコール中毒について話していることが自然に思えた。自分も子供が小さい頃から夫の協力を得て、優先的に神様のご用に身をおくことができている。小さい頃から教会のことに巻き込むことが、自然に教会女性の増加につながるのではないかと思っている。

[バングラデシュ]アルコールや薬物依存の夫が、自分のためにお金を得るために妻を売ることがある。未だに男子を産まない妻は台所の事故だったとか不明な理由で姿が見えなくなる。生き身のままガソリンをかけられて焼き殺されてしまうこともある。女子の赤ちゃんは、姑が預かるといって、ミルクの中に毒物を入れたり、針を入れたりして殺してしまうことが今でも行われている。ダウリを用意することへの負担から女子の出産は疎まれるし、男子が産めない嫁は、離縁されても文句が言えない。

[ネパール]夫が働かないで、妻を売春に出して稼がせるため、インドに売られるケースがある。

[フィリピン]日本との教会女性やNPOの女性との提携で一次避難所を設けている。

[インド]ヒンズー教のカースト制度の元では、カースト外の恋愛で結婚すると、カースト制度を守るために若いふたりともども女性の父親が、honour killingを行う。たまに、勇気ある女性が、このことを警察に訴えれば、父親が裁かれ、事実が証明されれば終身刑または、14年以上の刑に科せられる。法的には保護されているが、訴える女性の勇気がなければ不問にされてしまう。この事実はパキスタンでも同様。北方地域のクリスチャン婦人の場合、結婚7年以内に焼かれた妻が、隣人の通報によって ひどいやけどの状態で病院に運ばれて死ぬケースもある。南方のクリスチャン婦人の場合、結婚準備金であるダウリの10%を教会に献金するように求めている。貧しい家庭の多い地域では、14歳前後の女子が、家の近くの道に並ばされて、物の売買のように売られていく。買われた女子の親には代理店を通して代金が支払われる。

[韓国の参加者によるレポート]マレーシアからある男性が、夫婦でインドに旅行に行ったところ、旅の途中で妻が蒸発した。夫は、泣く泣く一人で帰国した。数年後に自分の国に来たサーカス団の中に足と腕のない女性が見世物にされていた。それが自分の妻だった。インドの医師が、ネパールやバングラデシュから労働者としてはたらくために貧困にあえぐ人々を連れてきて、臓器を得る品物のように人間を扱って暴利を得たことが報道された。

[インドネシア]インドネシアの代表は、自分の生命を賭けて自分の携帯電話の番号を女性の避難施設に知らせてあるとのこと。マフィアなどが暗躍しているケースがあって、訴えられたり命を狙われることも覚悟しているとのこと。具体的には臓器を取るためにこどもが売られるケースがある。牧師志願の女子の神学生が、面談や適正検査など男子と同様の試験のほかに、教区によっては、処女であるかの検査をされた。医師によって処女膜がないと判断された未婚の女性は、不道徳者とされ、教職に向かないとの男性の意識に翻弄された。この件については、断固として戦って、男性教職との同権を獲得するために大変な尽力を要した。男性教職の理解を得ることに苦労した。実際に処女幕を検査された教職志願の女性神学生は、精神的なダメージが大きく、回復にも支援が必要だった。

[スリランカ]インターネットを通して、性産業がはびこり、若年の男女が脅かされている。具体的には、服を脱げばチョコレートをあげるとか、お小遣いを上げるといわれていかがわしいことに誘い込まれる。貧困家庭の小さい子供が、ある日自転車を乗り回すようになった背景には何かがあったことが容易にうかがえる。

[台湾・モンゴル・韓国]男子より女子が高学歴を収める傾向になっているので、女子の結婚相手へのえり好みから、自国の男性との結婚が減少している。男性は、早く身を固めることを希望するなら他国から相手を探してくることになってきている。その場合、他国人の妻との生活習慣の問題、嫁・舅・姑との関係、子供のしつけや文化の違い等に悩む外国人妻の問題や、信仰に関して教会がかかわって援助している。

[ニュージーランド]3年以上の結婚生活のあと離婚した場合、夫婦間の財産わけが法律で保護されている。男性人口より適齢期の女性人口のほうが多いことが問題になっている。売春を職業にする女性にも就業保障が国レベルで行われている。最低賃金の保証、休暇などについて、売春業に携わる女性を保護する法律が、売春業そのものを反対するグループとの一票差で、成立した。

★大会後

  • 英語を母国語とする参加者は少数で、ほとんどが、外国語として英語を使うコミュニケーションなので、話のテンポは、忍耐を要した。しかし、話を聞いてもらえるとわかるととめどなく重要な現状をうかがうことができた。台湾からの参加者の多くは英語がわからないため台湾語への通訳も必要だった。
  • サイクロン被害を見舞うためミヤンマーの代表には、日本委員会定例会の席上献金、緊急見舞い金と前代表への手紙と少しの衣類を託したところ大変喜んでくださった。
  • 中国の地震被災地への復興支援を直接行っている香港から参加していた代表には、日本委員会から緊急見舞金を託した。
  • 韓国のルーテル教会は、ACWCから脱したとの報告があった。
  • 自分の国を紹介するカルチャーの夕べには、日本代表のバーガー・京子さんが、着物で踊り、中山がテープに合わせて歌った「さくら」が大好評だった。他国の参加者の出し物も盛りたくさんで、予定時間を2倍ほど越えて夜遅くまで続いた。

 台湾の長老派教会主日礼拝に出席して、礼拝後は観光をすることができました。地球規模の温暖化現象で、30年後には高雄が水没するとの危機感が、礼拝の説教に引き続いて牧師がDVDで講義を行って警鐘していた。DVDには、温暖化防止の発案がたくさん図示されていて、節約タイプの洗剤を洗濯にも洗髪にも使用するようにとかリサイクルの勧め、実践の場面などが解説されました。日本語を話す人は、初老以上の年齢層には多く、福祉の面で老齢者への波が襲っている様子だった。教会単位でデイケアセンターを開いていたり、高齢者支援のプログラムを競って、政府から奨励金を得たりしていました。

 今大会に、日本からは2名で参加したが、いずれもACWCのメンバーで、ブリッジビルダーの側に日本人の参加者はいなかった。

★感謝

 私の参加に関して、この大会への登録・宿泊費(250ドル)は本部が免除してくださいました。 旅費は自費でしたがルーテル女性会連盟及びACWC日本委員会から交通費の一部を援助していただいたことをこの場をお借りして感謝します。その他、祈りに覚えて支えてくださった皆様に感謝いたします。

★お誘い

 人災、天災、貧困など困難な中で生きる多くのアジアの人々に、特の女性とこどもに、小さな支えであっても手を差し伸べて行きたいと願います。関心のある方は、11月14日に開催されるアジア教会婦人会議の一日研修会ならびにアジア教会婦人会議の年度報告書に興味を示していただければ幸いです。また、各教会を通して集められる一円玉による祈りと献金の交わりによっても、アジア教会婦人会議の活動に参加できます。

 本部のホームページは、http://acwc.blogspot.com をごらんください。

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